2010/12/17

さあ、プロポジションについての2回目です。
前回はプラニングプロセスの中で、前半に設定されるプロポジションと
後半に設定されるプロポジションについて、書きました。

今日は、そのプロポジションは具体的に
どう書かれるべきかについて書きたいと思います。


プロポジションとは、「最も伝えたいこと」。
それは中学校のとき、英語の教科書で習った「5文型」のいずれかで
書きましょうというのが、今日のテーマです。

① S+V SはVする

② S+V+C SはCだ

③ S+V+O SはOにVする

④ S+V+O1+O2  SはO1に、O2をVする

⑤ S+V+O+C SはOがCであることをVする

懐かしいですね。
このどれかにあてはまる形で、プロポジションを書くべしというのが
磯部の考えです。

なぜこの形をとるべきなのか?
それは

プロポジションは、名詞と動詞でできているべきである

からです。
逆の言い方をすると

形容詞だけでできたプロポジションはない

と言ってもいいかもしれません。

ここは、既存の「ブランド論」と「コミュニケーション論」の議論がかみ合わない所、
別の言い方だと、クリエイターと戦略プランナーが折り合いづらい所かもしれません。

90年代後半以降、行われてきた「ブランド管理」は、簡単に言えば「形容詞管理」でした。
調査をして、Aブランドを表現する形容詞(温かい、知的な、自然な、、、)を規定し、
そこからはみ出さないブランド広告をつくるべき、という論が強くありました。

そのため、打ち合わせも
「もっと自然感を足さないと」
「もっとクールな感じで」
みたいな議論があったりした訳です。

磯部も戦略部署にいたときはそういうものか、と思っていました。
しかし、制作に異動し、自ら創る経験を経た今、自信を持って言えます。

形容詞は、広告アイデアのコアになりえない

アイデアのコアにならない、つまりプロポジションではないのです。

Aブランドは、お母さんに、○○する。

Bブランドは、サラリーマンが、△△になるのを、手助けする。

Cブランドは、あなたに、××をくれる。

Dブランドは、○△で、つくられている。

というようにソリッドに五文型のいずれかで表現できるところまで
落とし込まないと、プロポジションを設定する意味がありません。

名詞、動詞は、輪郭がはっきりしたものです。
そのブランドの意味や役割を定義づける働きがあります。
コミュニケーションの「あんこ」になることができます。
しかし、形容詞はその力はありません。

実際に、制作を経験して、思い知ったことなのですが。
なんとなく「表現」という言葉で語られてしまうので、
ともすると雰囲気でつくられているのでは、と思われがちなCMもですが
実は、驚くほど精緻に構造的につくられています。
「クリエイターの方が、よほどロジカルだ」
としみじみと感じたものです。

クリエイティブブリーフが、広告の「設計書」である以上、
その中心的な骨組みとなるプロポジションは、固形物でないといけません。
それは、名詞、動詞。

確かに、表現物を、受け手は最初、形容詞で感じ取るかもしれません。
「なんか、楽しい感じ」「ナチュラル感が、気持ちいい」などなど。

でも、送り手が作り上げる際は、
名詞と動詞の骨組みでつくり、形容詞でふくらみをつくるもの。
結果、ブランドの全体像が形容詞的にターゲットの目に映るのです。
形容詞だけで規定されたメッセージはふわっとして結局伝わらないのです。

この議論は、後ほど出てくるTOV(トーンオブボイス、トンマナ)に関係しますので
またその時に、追加で書きます。

プロポジションに悩んだら5文型にはまっているか確かめる。
英語で5文型を前提に書いてみて、それを日本語に直してみる。
そんなやり方を磯部もしてきました。
おすすめします。

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