2011/07/17
次は、VWのスピードカメラロッタリーです。
エコのためにクルマのスピード低下を促す
うまい方法を見つけたキャンペーンです。
Titanium Lion受賞作です。
概要はこちらのムービーで。
【概要】
Blue motion technologiesでエコを標榜するフォルクスワーゲンが、
クルマを走行速度を低下させるという目的で行ったキャンペーン。
スウェーデンで実施された。
そもそもはフォルクスワーゲンが行った、fun theoryという応募キャンペーンからはじまります。
これは「人は、楽しいことを指向する、楽しいことを提示された方を選択する」という
人間のシンプルな行動原理をテーマとして一般からキャンペーンアイデアを募集するというもの。
で、グランプリをとったアイデアが実際に実行された。
そのアイデアとは、
道路脇にクルマのスピードが測れるスピードメーターを置いておいて、
そこを通り過ぎる時に、表示されているスピードぴったりの速度を走れたら
賞金がもらえるという「スピードカメラくじ」。
これが行われ、なんとそのストリートでは
実際に21.6%のスピード低下、時速で言うと6.8km/h低下
という結果が得られた。
【ここがスゴイ!】
まず、このキャンペーンのすごさは、そのスタート部分に内蔵されていると思います。
つまり、fun theory=人は楽しい方の行動をとるという考え方で
スピード違反を罰するのと全く逆の、スピードを緩めたらご褒美がもらえ、
しかもギャンブル的な楽しみ方もできるという「楽しいこと」を
提示できたことに尽きると思います。
behaviour change=行動変化/喚起というのは、昨今のキャンペーンのキーワード
な訳ですが、それをCMなどのメディアで呼びかける手法の「内側」でアイデアをこらすのでなく、
実際に行動変化を起こせる場所で、行動変化を起こすtheoryのもとに
行動変化を起こすアイデアを実施するところまで持ち込んだことに感嘆します。
キャンペーンのサイズはそれほど大きくないですが、審査員がこれを選んだのは
まさにその「行動変化力」を評価してのことだと思います。